ハロー効果

ハロー効果とは

ハロー効果とは、初めて会った人に対してポジティブな印象を持つことを特徴とする認知バイアスです。

1920年にアメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが発見した概念です。

ビジネスにおいて、または人事担当者や採用担当者として、相手の好感度や雄弁さや落ち着きなどに魅了されたことは誰にでもあることでしょう。

このように認識された性質は、私たちの意思決定に直接的な影響を与えることがあります。

なぜなら、相手の第一印象が良ければ、人事採用であればその後の採用プロセスに完全に偏りが生じるからです。

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ハロー効果の例

例えば、遅刻をした場合、特に時間厳守の厳しい規律が求められる仕事では、その遅刻が原因で性格がルーズと思われる可能性があります。

その後の仕事においても、このネガティブな第一印象に支配される可能性が高くなります。

そして、その人が、たとえ優秀な営業能力を持っていたとしても、適切な部署に配置させられず実力を発揮できなくなるかもしれないのです。

そして、ご存知のように、キャスティングのミスは会社の損失につながります。

さらに、ハロー効果は、無意識のうちにステレオタイプに汚染されることがあります。

差別的なステレオタイプに連動した負のハロー効果がそれです。

これは、ある人がある基準に当てはまらないと判断し、ハロー効果によってその後もその人に対して否定的な考えをしまうのです。

「1970年代以前、アメリカのオーケストラの女性奏者はわずか5%でした。

性差別だと非難されはじめると、オーケストラは、自分たちは性差別主義者ではない、オーディションでは男性の方が女性よりずっと優秀だっただけだ、と断言しました。

そこで、音楽家の相手と審査員の間に不透明なスクリーンを設置した「ブラインド・オーディション」を開催し、試行錯誤が行われました。

その結果、ブラインド・オーディションで女性がオーケストラに入団する確率が3倍になったのです。

ブラインド・オーディションは、オーケストラの世界でも広く行われ、制度化されています。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分がすでに持っている信念や考え方を裏付ける情報を探し、それに集中する一方でその信念と矛盾する事実を無視する心理傾向。

ハロー効果のメリット

ハロー効果は、うまく使えば有益なものです。

メガネをかけている人は、魅力的な人、メガネをかけている人は、知的で信頼できる人と判断されがちです。

外見に気を配ることで、ポジティブハロー効果を生み出し、ポジティブな反応を得られる可能性を高めることができます。

同じように、すでに自社ブランドの製品やサービスに満足している顧客の心理に、ハロー効果の影響を観察することができます。

後者は、コンタミネーション効果によって、企業の他の製品やサービスを評価する傾向が強くなります。

ポジティブなハロー効果は、ピグマリオン効果(またはローゼンタールとジェイコブソン効果)につながることがあります。

営業マンの判断は、お客様、会社、営業マン本人のいずれであっても、営業マン自身の行動の一部、つまり成功に影響します。

ホーン効果


ハロー効果の否定的な形態は、ホーン効果、デビル効果、または逆ハロー効果と呼ばれ、人や製品の嫌われた特徴や側面がグローバルに負の影響を与えることがあります。

心理学者はそれを「バイアスの盲点」と呼んでいます。

マーケティングにおいて、ハロー効果を狙ったはずなのに裏目に出る(ホーン効果になる)こともあり、なかなかうまくいかないことがあります。

第一印象が悪かったり、商品のイメージが悪かったりすると、ブランド全体のイメージに波及してしまうからです。

さらに、製品の優れたプレゼンテーションは、同化することによって、競合他社の類似製品に反映させることができます。 だから、ハロー効果という諸刃の剣に気をつけましょう。

関連心理学用語

ステレオタイプ

ステレオタイプとは、特定のグループに入る人たちに関する一般化された思い込みで、特定のグループに入るすべての人の期待。

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、人がある状況を認識した上で期待や予測をすることで、その状況がその期待や予測に適応していく効果のこと。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分がすでに持っている信念や考え方を裏付ける情報を探し、それに集中する一方でその信念と矛盾する事実を無視する心理傾向。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、心理学で最も魅力的な効果の一つで、それを通じて、さまざまな内容で私たちが自分自身を癒すことができる効果。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、情報の伝え方(視覚、発声、言語)によって、聞き手に与える影響が異なるというもの。

ホーン効果

ホーン効果とは、ハロー効果と反対に第一印象が全体的にネガティブな印象を与え、その印象でその後も相手の印象が変わること。