認知的不協和

認知的不協和とは

認知的不協和とは、もともと社会心理学の概念で、個人の知識、態度、信念の間に内面的な不一致がある状態を表します。

また、これらと本人の行動や言動に食い違いがある場合もあります。

認知とは、記憶プロセスを含む思考プロセスや信念を指し、不協和とは態度と行動の不一致のことです。

典型的な例は、タバコが不健康であることを知っている人です。

しかし、なかなかやめられないので、喫煙者は我慢しているのですが、ほとんどの人が「減らしたい」と感じる不快な状態につながります。

これは、実際に行動を変えることでも、禁煙することでも達成できます。

また、その人がその行動に対する認識や思考を変えようとすることによっても起こり得ます。

例えば、「疲れているときには吸ってもいいだろう」「明日になればいつでも止められる」と考えることで、心理的な不快感も軽減されるのです。

本家記事:認知的不協和とは

自由選択の実験

1956年にジャック・ブレムが行った実験では、225人の女子学生に一般的な機器をいくつか評価させるという課題が出されました。

そして、提供された2つのデバイスの中から1つを選び、プレゼントとして持ち帰ることができたのです。

次に、新たな評価が行われ、参加者は自分が選んだ対象に対してスコアを上げ、拒否された対象に対してスコアを下げることが観察されます。

これは、認知的不協和の観点から説明することができます。

難しい決断を迫られたとき、拒否された選択肢の中には必ず自分が好ましいと思う部分があり、その特性は他のものを選択することと相容れないのです。

つまり、「私はXを選んだ」という実感と「Yには好きなところがある」という実感は矛盾しているのです。

最近の研究(2010年)では、4歳児とオマキザルで同様の結果が得られています。

内面的な配慮に加え、他の個人間での意思決定の構造化が、動機の行動様式に関与している可能性があります。

2010年の研究では、ある賃金に対する社会的選好と規範を3人の個人に対して調査しました。

一人目の参加者の行動が、二人目の給料の寄付に影響を与えたのです。

研究者は、不平等への恐怖が参加者の最も重要なパラメータであることを示唆しました。

認知的不協和の例

認知的不協和の例には以下の事例があります。

イソップ寓話:狐と葡萄

認知的不協和は、イソップの有名な「狐と葡萄」の寓話にも見られます。

ーーーーー狐と葡萄のあらすじーーーーー

ある日、飢えに苦しんでいた狐が、高い葡萄畑に赤っぽい葡萄があるのを見て、力いっぱいジャンプして、葡萄に届こうとしました。

何度も挑戦したが、あのおいしさを自分のものにすることはできませんでした。

しかし、動物の飢えはますます強くなり、狐はそれを鎮める解決策を見つけることができなかったのです。

葡萄の房は目の前にあり、近いけれども遠くて触ることができないので、狐は葡萄畑から降りてきて「まだ熟していない、熟していないのを取りたくはない」と文句を言ったのです。

ーーーーーあらすじ終わりーーーーー

また、認知的不協和の具体的かつ非常に一般的な例として喫煙が挙げられます。

喫煙が有害であることを知りながら、それでも喫煙を続ける人がいます。

これが認知的不協和を生み、それに伴い認知的不協和を減らす傾向にあるのです。

つまり、

a)彼はもうタバコを吸っていない
b)タバコを害のないものにできている
c)「私の祖父は1日2箱吸って90歳で死んだ!」と言う

上記のいずれかです。

この種の例は数え切れないほどあります。

現実逃避、虐待を受けた相手と一緒にいること、盗み、特定の日に世界の終わりを説く宗教宗派を受け入れること(常に現実によって否定される)、ギャンブル、無謀な行為などを思い浮かべるとよいでしょう。

そして何より、第三の様式を通じて、人は自分自身の認知的不協和に対抗し続け、その結果生じる矛盾や不快感を軽減していくのです。

しかし、ある場合の結果は、たとえそれが「協和」の達成を伴うものであっても、犯罪的制裁、身体的危害や虐待、金銭の浪費、自分を犠牲にしていじめる側を利する不合理な行為や選択など、非常に危険なリスクや状況に容易にさらされる個人にとって有害なものとなり得ます。

認知的不協和の結果を認識することは、はるかに悲惨な結果を回避するのに役立ちます。

しかし、重要なのは、一種の「自己欺瞞」に見えるかもしれない認知の修正自体が、危険や正誤のプロセスではなく、実は個人の全体的な幸福に役立つということです。

それが実現しないときは、やり方を変えたほうがいいでしょう。

関連心理学用語

確証バイアス

確証バイアスとは、自分がすでに持っている信念や考え方を裏付ける情報を探し、それに集中する一方でその信念と矛盾する事実を無視する心理傾向。

防衛機制

防衛機制とは、内的衝動の充足を制御・抑制するために、生み出されたいくつかの特別なメカニズムのこと。