ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果とは、人がある状況を認識した上で期待や予測をすることで、その状況がその期待や予測に適応していく効果のこと。

本家記事:ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果の由来

ピグマリオンは、ギリシャ神話に登場する彫刻家の名前に由来しています。

この物語では、ピグマリオンは非常に美しい女性の像を作り、ガラテアと名付けたことから始まります。

ピグマリオンは、この像を完成させた後、この像に惚れ込み、まるで生きているかのように扱いました。

自分の像が人間になれるという強い期待を持ちました。

ピグマリオンは、アフロディーテ(古代ギリシャの神)にこの像が人間になるように祈り続けました。

ある日、アフロディーテがそれを聞き入れ、ガラテヤ像は人間となりピグマリオンと結婚しました。

ピグマリオン効果に関する実験

ラットを使った実験

1963年、ローゼンタールとフォドーは、ラットを使った迷路の実験を行いました。

その際、実験に使われるラットをそれぞれ賢いラットと不器用なラットであることを実験者である学生に伝えました。

実は、ラットには個体差はありません。

しかし、実験の結果、賢いラットは不器用なラットに比べてミスが少なかったのです。

賢いラットを与えられた学生は、不器用なネズミを与えられた学生よりも、ラットに迷路を通るように促す傾向が強かったことが分かりました。

実験者が2つのグループのラットを異なる方法で扱ったため、実験結果に影響を与えたと考えられます。

生徒を使った実験

ローゼンタールは、カリフォルニア州サンフランシスコの小学校で実験を行いました。

あるクラスの教師には平均以上の生徒を担当してもらうと伝え、他のクラスの教師には平均以下の生徒を担当してもらうと伝えました。

両クラスの生徒は事前にIQテストを受けており、お互いに同程度の知能レベルでした。

その結果、平均以上のクラスの生徒の成績が上がりました。

平均以上のクラスの教師は、生徒に対してより高い期待を持っていました。

ローゼンタールは、教師の期待が実際の成績に影響すると結論づけました。

ピグマリオン効果の具体例

  • 先生から良い成績を取るように期待されている学生がいるとします。先生は自分の期待が実現することを望んでいるので、その学生に対して熱心に指導するようになります。
  • 先生がある学生はA評価を取る能力がないと思っていれば、B評価かC評価を取る可能性が高くなります。しかし、先生がある学生はA評価を取れると期待をしていれば、その学生は自分を奮い立たせ、A評価を取ることができるかもしれません。
  • 上司がが部下の成功を期待し、その部下が成功を収めた場合です。その逆もありえます。もし上司が部下が成功しないだろうと予想すれば、そのような結果になる可能性が高い。

関連心理学用語

ステレオタイプ

社会心理学ではステレオタイプは、特定のグループに入る人たちに関する一般化された思い込みで、特定のグループに入るすべての人について持つ期待。

ハロー効果

ハロー効果とは、初めて会った人に対してポジティブな印象を持つことを特徴とする認知バイアス。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、心理学で最も魅力的な効果の一つで、それを通じて、さまざまな内容で私たちが自分自身を癒すことができる効果。

自己効力感

自己効力感とは、見込みのある状況を管理するために必要な行動方針を組織し、実行する自分の能力に対する信念。

ゴーレム効果

ゴーレム効果とは、本人や上司の期待値が低いと業績が悪くなるという心理現象。