心理学用語

シミュレーションヒューリスティック

シミュレーションヒューリスティックとは、ある事象の起こる確率を推定する際、頭の中でシミュレーションを行う傾向があることを指す認知バイアスです。

例えば、コインが表向きになる確率を推定する際、確率論を適用する代わりに、頭の中でコイン投げのシミュレーションを行い、その結果に基づいて推定を行うことがあります。

このようなシミュレーションは、判断や意思決定の誤りを引き起こす可能性がある。なぜなら、シミュレーションは実際の確率を正確に反映していない可能性があるからだ。例えば、人は容易に想像できる稀な事象の可能性を過大評価し、容易に想像できない一般的な事象の可能性を過小評価することがある。

シミュレーションヒューリスティックの例としては、以下が挙げられる。

大勢の前でのプレゼンテーションにチャレンジする場面をイメージしたとき、その場面でもっとも起こりそうなこととして、「言葉が出てこなかったら」「聴衆に冷たい目で見られたら」「頭が真っ白になってしまったら」といったことを思い描いてしまうと、実際よりも失敗しそうな確率を過大に評価することがある。

新しい投資先を検討する際、過去に成功した投資先をイメージすると、現実的なリスクを過小評価することがある。

新しいビジネスアイデアを思いついた際、そのアイデアが成功しそうだと想像すると、市場の競争状況や顧客のニーズを過小評価することがある。

シミュレーションヒューリスティックは、複雑な意思決定や予測が必要な状況において有用である。具体的なシミュレーションや想像を通じて問題や状況を検討することで、判断の根拠や結果の予測を容易にすることができる。

しかし、シミュレーションには限定された情報や個人のバイアスが含まれる可能性があるため、注意が必要です。シミュレーションヒューリスティックを利用する際には、以下の点に注意するとよいでしょう。

シミュレーションに使用する情報を多角的に収集する。

シミュレーションの結果を慎重に検討し、主観的なバイアスを排除する。

シミュレーションの結果を他の判断基準と組み合わせて検討する。

シミュレーションヒューリスティックを意識することで、より正確な判断や意思決定を行うことができるでしょう。

参考URL:

シミュレーション・ヒューリスティック | 意思決定・信念に関する認知バイアス | 錯思コレクション100


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