ステレオタイプ

ステレオタイプとは

社会心理学のステレオタイプとは、特定のグループに入る人たちに関する一般化された思い込みで、特定のグループに入るすべての人の期待です。

期待の種類は例えば、グループの性格、好み、外見、能力など様々です。

ステレオタイプはときに過度に一般化され、不正確で、新しい情報に対して抵抗があるが、ときには正確であることもあります。

ステレオタイプは、迅速な意思決定を行う際には有効ですが、特定の個人に当てはめようとしても誤りになることもありますし、偏見につながります。

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ステレオタイプの具体例

  • ドイツ人は時間を守る。
  • イタリア人はうるさい。
  • フランス人は生き方を知っている。
  • 男はみんなサッカーが好きで、女は買い物のことしか考えていない。

ステレオタイプのメリットとデメリット

メリット

ステレオタイプによって、特に見知らぬ人について素早い価値判断を下すことができます。

自分が置かれた環境に早く適応することができます。

デメリット

ステレオタイプは、真実である場合もあればそうでない場合もあります。

個人間の違いを無視するので、ときには勘違いをすることがあります。

ステレオタイプと偏見・差別

偏見

偏見は、実際に接触したり、深い客観的知識を持たずに先入観で判断した結果です。

もう少し正式な定義をすると、「理性や実際の経験に基づかない先入観のある意見」です。

例えば、ある人が「女の子は男の子ほど賢くない」と思っているとしたら、女の子に対して偏見を持っていることになります。

差別

偏見などの不当な理由に基づく区別を指します。

差別は、人々がステレオタイプや偏見に影響され、しばしば恐怖や敵意などの感情を伴って、人々を区別するときに起こります。

例えば、「女性は能力が低い」などの偏見から女性を採用しないことは雇用差別です。

ステレオタイプ脅威

ステレオタイプ脅威とは、ある集団の中の人が、その集団の否定的なステレオタイプの存在を意識することで、自分自身のパフォーマンスが低下するのではないかと、恐怖を感じることです。

実際、ステレオタイプ脅威にさらされると、パフォーマンスが落ちることが分かっています。

関連心理学用語

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、人がある状況を認識した上で期待や予測をすることで、その状況がその期待や予測に適応していく効果。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分がすでに持っている信念や考え方を裏付ける情報を探し、それに集中する一方でその信念と矛盾する事実を無視する心理傾向のこと。

ハロー効果

ハロー効果とは、初めて会った人に対してポジティブな印象を持つことを特徴とする認知バイアス。

防衛機制

防衛機制とは、内的衝動の充足を制御・抑制するために、生み出されたいくつかの特別なメカニズムのこと。