tedukurikotoba (2563)

地震雷火事親父

【漢字】地震雷火事親父 【読み】じしんかみなりかじおやじ 【意味】この世で特に怖いといわれているものをリズムよく使う言葉。 【例文1】地震雷火事親父なんて言うけど、うちでは地震雷火事女房だよ~。 【例文2】地震雷火事親父なんてもう古い。世のお父さんは娘に甘い。 【例文3】地震雷火事親父なんて怖くないよ。 「地震雷火事親父」という言葉を最近あまり聞かなくなったような気がします。 一昔前はこの言葉の通りで、父親も怖い存在の一つに数えられていました。 昔は家長に当たる父親が家の中では一番偉い存在だったようです。 今では子どもが一番という家庭も多く、下手をしたら父親の存在が最も下になっている場合も多いと思います。 このことわざで面白いと思うところは、親父以外はすべて自然現象です。 家事は不注意もありますが、強風が原因でさらに被害が拡大するので、やはり自然の影響は大きいと思います。 親父の怒鳴り声も自然現象と同じ扱いだとしたら、反抗しても仕方がなく、ただ嵐が過ぎるのを待つしかないのかもしれません。 それだけ昔の親父の存在は脅威だったのでしょう。 現代社会は昔と大きく変わっていることもけっこうあります。 特に上下関係や男女平等の意識など、かなり変わってきたと思います。 それに合わせて新しいことわざが生まれてくれば、これもまた面白いかもしれません。 時代が変わっても変わらないことわざもたくさんあります。 時代とともに変わっていくものは、その時代は当たり前なことであっても、本来は当たり前ではないのかもしれません。 今の習慣が当り前だと思わずに、少し疑ってみることも時には必要だと思いました。 ある日、中学生の長男が聞いてきました。「ねぇ、地震雷かじ親父って どういう意味?」それで、私は答えました。「全部怖いものの例えだよ。 地震も、雷も、火事も、親父も全部怖いでしょう」と言うと、長男が言いました。 「俺、地震と雷が来たら、家事は親父がするって意味だと思った」 あ?地震雷→家事親父。なるほど。いや、地震と雷が来ても、君の親父は家事をしないですね。私は心の中で言いました。 確かに、地震は怖いです。地震によって、命を落とした人も沢山みえますし、 私の住む地域でも、高い確率で大きな地震が来ると言われています。 そして、雷も怖いです。野球少年がマウンドで雷に打たれたという事故も ありました。私は、雷の大きな音が鳴る度に叫び声をあげます。 火事もまたしかり。私は経験したことがありませんが、間近で見た時、その 勢いに震え上がりました。 しかし私にとって、親父はあまり怖いものではありません。父はいつも優しい 笑顔で話してくれるし、叱られたこともありません。 夫も子どもに甘いし、周りを見ていても、あまり「怖い親父」というのは存在 しないようです。時代的に、例えとして適切でなくなってきているような 気もします。 親父の変わりになるような、怖いものを代わりに考えてみるのも良いかもしれません。

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座して食らえば山も空し

【漢字】座して食らえば山も空し 【読み】ざしてくらえばやまもむなし 【意味】働かず楽をしていれば、山のような財産もやがてなくなるという戒め。 【例文1】賭け事に勝って座して食らえば山も空しの暮らしだ。 【例文2】大金を手にして豪遊した結果、座して食らえば山も空しだ。 【例文3】座して食らえば山も空しになるのは当然だ。 そもそも、座して食うことが出来るほどの資産・貯蓄がありません。 座して食らえば山も空しというより、座して働けど山のような書類だし。 座して食らうが、働かずに生活するということで、山も空しが山のような財産もすぐなくなるという意味なのは知っています。 それでも「座して」の部分は、一日中デスクワークに従事する人間からすれば見逃すことが出来ない重要項目です。 時に単純作業、時に書類の添削、時に発注伝票の記入と自分の机から離れる瞬間などほとんどありません。 視界はディスプレイに固定され、足・尻・腕が床・椅子・机に貼り付けられたような姿勢でひたすら作業。 無口な上司に、無言の職場、環境に慣れない頃には自分はここで何をしているのかと哲学的に呆けることもありました。 今では仕事中はパソコンの入力装置の一部と化して働き続けることが出来るようになりました。 それでも仕事が終われば、身体の疲れをいやでも実感せずにいられません。 ことさらに贅沢な生活でなくていいから、働かずに食っていける方法などないかと考えてしまいますが、それこそまさに贅沢というものです。 下手の考え休むに似たり、本当に休むためには何も考えずに働いて仕事を終えることが一番のようです。

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弘法筆を選ばず

【漢字】弘法筆を選ばず 【読み】こうぼうふでをえらばず 【意味】弘法大師はどんな筆を使っても見事に書くことから、その道の専門家は道具に関わらず、立派に仕事をこなすものである。 【例文1】美容師の友人は弘法筆を選ばずで、家庭用ハサミでも器用に髪を切る。 【例文2】料理人は設備が整っていない被災地でも弘法筆を選ばずだ。 【例文3】一度体験しただけで器用にこなすとは弘法筆を選ばず。 「弘法筆を選ばず」は、昔々の書道の達人「弘法様」がどんな粗末な筆であっても立派な文字を書いたことから、その道のプロフェッショナルは自分の使う道具や材料について不平不満を言わず素晴らしい作品を作り上げる、という意味になりました。またこのことが転じて、道具をえり好みして作品の不出来を道具のせいにする人を叱る時にも使われるようになった言葉です。 私がこのことを実感する場面は意外と多く日常の中に転がっています。私は趣味で絵を描くのですが、イラストレーションの世界では常に「アナログで絵が描けない人はデジタルでも描けない」だの「デジタルの機能を使いこなせない人は旧時代の技法にしがみついているだけだ」だのといった「デジvsアナ論争」が巻き起こっています。私自身アナログ絵から始まってデジタルに移行した人間ですが、どちらの言い分もうなずける部分もあり、首をかしげてしまう部分もあり、どちらが本質なのだろうと悩んだことがありました。 しかし私が尊敬する画家の方が、さらに尊敬する諸先輩方の言葉を引用して、「アナログならアナログ、デジタルならデジタルの良さに特化した絵を描くべきだと言う人もいれば、アナログでもデジタルでも同じクオリティの絵を描けるようにするべきだと言う人もいて、両方の先輩方の作品はどれも比類無いくらい素晴らしいものばかりだから、どんなアプローチであっても良い絵を描ければそれが正解だ」と言っていたのを聞き、目からポロポロと鱗が落ちたのです。これこそまさに「弘法筆を選ばず」だ、と。 絵に限らず、フライパンが良くないから料理が焦げただの、パソコンのスペックが低いから作業の質が落ちただの、自分の能力の範囲内のことであるのならば、どんな道具を使っていたとしても言い訳をしないで生きていきたいものだと反省させられる言葉です。

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言質を取る

【漢字】言質を取る 【読み】げんちをとる 【意味】あとで証拠となる言葉。 【例文1】取り立て屋が言質を取って追い込む。 【例文2】タクシーのドライブレコーダーが言質を取る。 【例文3】トラブル回避のため言質を取る。 そもそも「言質」って、どうやって読むかご存じでしょうか。私は学生時代テストで読み方が分からず「げんしつ」と書いてバツをくらったことがありました。正しくは、「げんち」と読みます。 言質とは、後から証拠となる言葉のことで、特に約束を取り付ける時に使われる言葉です。恋人や友人と喧嘩をした時に「あのときああいう風に言ったじゃないか」と相手の過去の発言を引き合いに出して喧嘩を有利に進めた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。「言質を取る」とは、まさにそのようにして、物事を交渉する時に後で証拠となるような言葉を相手から引き出すことを意味します。 言質を取ることはよく政治やビジネスの世界で使われますね。うっかり口にしたことを言質に取られてメディアや敵対政党から猛攻撃を受ける政治家などは毎日のように報道番組に登場します。要は、「言葉」の「人質」といったところでしょう。政治家やビジネスマンはうかつなことを言わないように、つまり言質を取られないように慎重に言葉を選びます。ですから、そうした相手から巧みに自分の有利に働く言葉を引き出すためのハウツー本などが数多く売り出されているほどです。 まあ、そこまで大げさにしないまでも、お母さんが子どもに「今、これやったら勉強するって言ったよね?」と言うことも言質を取った内に入りますので、この行動は多かれ少なかれ私たちが日常的に行っていることだと言えるでしょう。後から「あのとき勉強するって言ったじゃん!」と怒ると「言った」「言ってない」の水掛け論になりかねません。先回りして「これから勉強するって言ったんだから必ず実行してね」と先制した方が効果的ですから、世の中のお母さん方には是非試してみていただきたい手法です。

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口から先に生まれる

【漢字】口から先に生まれる 【読み】くちからさきにうまれる 【意味】おしゃべりな人に言う言葉。 【例文1】ペラペラとよく喋って、口から先に生まれたようだ。 【例文2】口から先に生まれたようで口が達者だ。 【例文3】さんまさんは口から先に生まれたようだ。 「口から先に生まれる」という慣用句は、口数の多い人やよく喋る人、言葉の達者な人に対してよく使われる言葉です。しかし本当の意味は「口が達者な人や口数が多い人のことをあざけって言う言葉」なのです。あれっ?と思った方も居るのではないでしょうか。そう、この言葉はただ言葉が達者なことを表すだけではなく、相手をけなしたりからかったりする意味が含まれているのです。ですので、「あの人は口から先に生まれたような人だ」と言った場合、「あの人は口ばかり達者でやかましい」などの意味になってしまうのです。 ウェブでこの慣用句の例文を引いてみると、芸人さんのしゃべりが上手なことを形容することに使われていたり、ビジネスシーンでスピーチやプレゼンテーションの能力を上達させるための方法を紹介する時に使われていたり、社交性のある外国人を指して「口から先に生まれたような…」と称していたりと、ポジティブな意味で使われているものが散見されました。さらには、しゃべりが達者なことを表す言葉だと知らず単純に逆子として生まれてきたことだと思っていた、というようなものまでありました! 言葉や言葉の意味は時代によって移り変わっていくものですが、「沈黙は金、雄弁は銀」ということわざからも分かるように、元々多弁であることはよろしくないこととされていたことを忘れずに、ことわざを大切にしていきたいものですね。

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