tedukurikotoba (2563)

寸暇を惜しむ

【漢字】寸暇を惜しむ 【読み】すんかをおしむ 【意味】少しの空き時間も無駄にしない。 【例文1】寸暇を惜しんで移動時間も暗記に励む。 【例文2】バスの待ち時間も英語のリスニングで寸暇を惜しむ。 【例文3】TVを見ながらエクササイズで寸暇を惜しむ。 仕事や勉学のために寸暇を惜しむのは、普通に考えれば正しいことです。 ことあるごとに遊んだり休んだりしていては仕事も勉強も捗るはずがありません。 集中力を途切らせることなく、空いている時間があればその時間で出来る作業を詰め込むのは当然のように思えます。 しかし、人間でも機械でも長時間稼動すれば損耗・消耗が発生するのは如何ともしがたい事実です。 適度な休憩・メンテナンスは機械であっても必要、精密機械ともいえる人体ならばさらに丁寧な取り扱いが望まれます。 水分や栄養を補給しつつ、特に疲労が酷い箇所が少しでも回復するように呼吸や血圧を整えようとするのは絶対に必要なことです。 極論すれば、働くために休憩しているのですからその時間帯の給金も支払ってもらいたいくらいです。 さすがにそこまでは要求しませんが、休憩時間は仕事から離れて落ち着いて休むのが正常な職場なはずです。 実のところ何が言いたいのかと言えば、上司が休憩時間にやってきて仕事の話をぶち込んでくるのはさすがに時間を惜しみすぎだと言う話です。 打ち合わせや報告・連絡・相談だって立派に仕事なはず、ならば休憩時間に持ち込んでいいはすがないでしょう。 休憩後の仕事にリフレッシュした状態で望むためにも、お願いしますから休憩時間は休憩のためだけに使わせてください。 「寸暇」とは「わずか暇」、「惜しむ」とは「もったいなく思う、大事にする」という意味ですから、「寸暇を惜しむ」というのは「ちょっとの暇も大事にして~する」という場面で使います。 寸暇を惜しんで勉強する。などと言うと、休まず一心不乱に勉強している姿が浮かびますね。 「寸」というのは、長さを表す単位でした。尺貫法というのを聞いたことはあるでしょうか。昔は長さを「里」「町」「間」「丈」「尺」「寸」という基本単位で測り、重さを「貫」「斤」「両」「匁」などで量っていました。時代劇などで聞いたことがあると思います。 よく聞く「一尺」というのは30.303センチメートルです。一寸はその十分の一で3.0303センチメートルです。メートル法で表すと「一寸法師」の大きさがどのぐらいか想像できますね。 そこから「寸」という文字には「短い」「少し」「わずか」という意味が込められるようになりました。「一寸先は闇」というのは、「ちょっと先はもう闇だ」ってことです。「寸の間」「寸時」「寸刻」というのは「短い時間」です。「寸寸」と書いて「ずたずた」と読み、細かく切り裂かれた様のことを言います。「一寸」と書いて「ちょっと」と読みます。「寸志」「寸劇」「寸評」など、他にも「寸」とついた言葉はたくさんあるので調べてみると面白いかもしれません。 ところで、「寸暇を惜しむ」を間違えて、「寸暇を惜しまず」と誤用している人をたまに見かけますが、これは間違いで、まったく逆の意味になります。「少しの暇をもったいながらない」ってことですからね。おそらく、「骨身を惜しまず~する」という慣用句から混同したものではないかと思います。使用する時は注意した方がいいかもしれません。

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児孫のために美田を買わず

【漢字】児孫のために美田を買わず 【読み】じそんのためにびでんをかわず 【意味】子孫のために田畑を買えば財産に頼ってしまうので、あえて財産を残さないことをいう。 【例文1】児孫のために美田を買わずの方針で、子どもたちの自立心が芽生えた。 【例文2】子どもを甘やかすといけないから、児孫のために美田を買わず。 【例文3】争いを避けるため児孫のために美田を買わず。 「児孫のために美田を買わず」は西郷隆盛が友人であった大久保利通に送った詩『偶成』の一節、「一家の遺事人知るや否や、児孫の為に美田を買わず」から故事成語になった言葉です。意味は「作物がよくとれる良い田地を買うなどして財産を残すと、子や孫は仕事もせずにのんきな生活を送り、かえって子孫のためにはよくないことから、子孫のために、あえて財産を残さないようにすること」です。 西郷隆盛は波乱万丈な人生を送りました。鹿児島の下級武士の出身で、子どもの頃に友人同士のけんかの仲裁に入り太刀を浴びて、右腕内側の神経を切り、刀が握れなくなったことで学問に力を入れます。世代交代で島津斉彬が藩主になると、自分から申し出て江戸詰めについていき、斉彬から直接教えを受ける一方、水戸学の権威、藤田東湖からも国学を教わります。斉彬の養女、篤姫が徳川家に嫁ぐと、一橋家の徳川慶喜を世継ぎにするため奔走します。幕末、尊皇攘夷の官軍の将として勝海舟との話し合いに応じ、江戸城の無血開城の立役者となります。明治天皇の信望も厚く、政府でも活躍しますが、明治6年の政変により政治から手を引き、故郷で私学を興します。が、私学生徒の暴動に端を発した西南戦争の指揮を執る事態となり、賊軍の将として人生を終えます。明治天皇の働きかけもあり、死後恩赦され名誉復活となりました。

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左遷

【漢字】左遷 【読み】させん 【意味】今までよりも低い地位や役職に移される。飛ばされたとも言う。 【例文1】不良債権を回収できず、左遷される。 【例文2】子会社に左遷される。 【例文3】不祥事が明るみに出て左遷される。 左遷とは地方の支店に転勤することや地位や役職が下がることを言います。 悲しい出来事ですね。 知り合いの旦那さんは大手電機メーカーに勤めていて外車を乗り回し、船も所有していて夏出かける時はサーフボードを持って出かけるのでサーフィンもするのかといつも羨ましく思っていました。私の旦那はというと休みに子どもたちを連れて海行ったり、庭でBBQをするくらいでした。 ここ最近お隣の旦那さん見かけないねと話していたところ長男が「〇〇クンのお父さんいないよ」と突拍子な発言をしました。旦那と顔を見合わせて離婚?と頭をよぎりましたが、この前も奥さん何も言ってなかったし、出ていく気配もないしどうしたんだろうと聞くに聞けなくて気になっていました。 3週間経って町内会のお知らせを持っていくときに最近旦那さん見かけないけどどうしたの?と聞いてみました。奥さんははぎれが悪そうに単身赴任だと答えました。車とサーフボードが置かれていたので、ひとまず離婚ではないことは明らかでした。学校の保護者に聞いたのですが、業績不振で九州の田舎に左遷されたらしいです。平凡だけど、家族と一緒にいられる幸せを改めて感じさせられました。

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紺屋の白袴

【漢字】紺屋の白袴 【読み】こうやのしろばかま 【意味】染物屋の店主は染めていない白の袴を着ていることから、他人の事でいっぱいで自分の事は後回し。 【例文1】結婚相談所の経営者は紺屋の袴で50歳未だ独身。 【例文2】世のお母さんは子ども優先で紺屋の白袴だ。 【例文3】長年住宅営業マンだが、アパート暮らしで紺屋の白袴。 「紺屋の白袴」「医者の不養生」はどちらも専門職でありながら自身の身の回りにそれが生かされていないことを指しています。 忙しすぎで自分自身のことにまで手が及ばないことから、他人のことを優先してしまっている状況を表現する際に使われます。 「紺屋の白袴」は、染物をしているにも拘わらず一滴の染みもつけずに作業する技前を指しているという説もありますが、あまり用例として聞き及びません。 ともあれ、他人のことばかりで自分のことが疎かになってしまうのは如何なものか、と先日散髪にいった床屋で思い至ってしまいました。 その床屋は全国チェーン店で職人は個々に雇われているだけのようでした。 店長らしい人も存在せず支払いは事前にチケットを購入することで済ませるシステムです。 4人の職人がいましたが、互いには一切干渉せず黙々と仕事をこなしている風でした。 来店した順序に順番待ちをして手の空いた職人に散髪してもらうので、直前までどの職人に当たるかは分かりません。 特に気にした事はなかったのですが、その日の理髪師の髪型にはかなり度肝をぬかれました。 なんというかお先にどうぞといいたくなるくらいに髪の手入れがされていません。 ぼさぼさの髪を無理矢理に縛ったような珍妙な髪型です。 クイズで周囲に人が住んでいない場所にある床屋に2人の理髪師がいるというのを思い出しました。 整った髪形の理髪師と、下手な散髪をされた理髪師のどちらを選ぶかと言う問題です。 互いに散髪しあうのですから下手な散髪をされた理髪師のほうが腕前がよいというのが正解です。 実際それに近い状況かもしれませんが、センスのなさはあからさまに伝わってきます。 結果的には真っ当な仕事をしてもらえたのですが、複雑な気分で床屋を後にすることになりました。

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口に合う

【漢字】口に合う 【読み】くちにあう 【意味】食べ物の好みが合う。 【例文1】お口に合うかわかりませんが、どうぞ召し上がって下さい。 【例文2】この料理はお口に合いましたか? 【例文3】外国の料理は口に合わない。 「口に合う」とは、食べ物の味が好みの場合に使用される言葉です。レストランのオーナーがお客に対して料理の味を確かめる時に「お口に合いましたか」と発言するシーンを映画で見たことがあります。 この言葉は、食べ物の好みを示す以外にも通じるのではないでしょうか。例えば人間関係でも「あの人のやり方は、私には口に合わない」など冗談まじりで使用したり、「このゲームは口に合わない」といった食べ物以外の物の趣向を表す言葉としても意味が通じます。 その人の趣味嗜好を聞く時に便利な言葉で、例え意味合いが違うシチュエーションでも意味が通じる珍しい言葉でもあると思います。人間関係でも人を食べて味を確かめる訳ではありませんし、口に合う合わないという趣向をシンプルに表現している印象を受けますね。 自分のやり方や哲学と合致することも「口に合う」を使用するとしっくりきます。人間関係で直接相手に「好き」や「嫌い」と言うよりも、「口に合いません」と発言すれば上品で嫌味を感じません。ですから人間関係を壊したくない方は、上手く使いこなせば様々なシチュエーションで使える便利な言葉だと思います。

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