tedukurikotoba (2563)

四通八達

【漢字】四通八達 【読み】しつうはったつ 【意味】交通の便が発達していて賑やかな場所。 【例文1】四通八達で騒がしい。 【例文2】四通八達になったぶん道に迷う。 【例文3】四通八達で活気がある。 「四通八達(しつうはったつ)」とは「道路、交通、通信が四方八方へ通じていること」です。今でこそ都会では当たり前の「四通八達」ですが、昔はそうではありませんでした。近代日本の陰の立役者、坂本龍馬は薩摩藩と長州藩の仲立ちをして、薩長同盟をなしとげます。その1年後、京都の近江屋で彼は不幸にも暗殺されてしまいます。その時、龍馬の妻のお龍は下関にいました。暗殺された時間にお龍は夢で、血で塗られた刀を下げ、うつろな表情の龍馬を見ていたといいます。実際にお龍が龍馬暗殺の知らせを受けたのは翌々日のことでした。龍馬夫妻は日本人として初めて新婚旅行に行ったふたりです。京都伏見の寺田屋で刀傷を負った龍馬は西郷隆盛のすすめで、お龍とともに、塩浸温泉(現鹿児島県霧島市牧園町)で傷をいやしながら霧島に遊びました。二人は、山頂にある『天の逆鉾(あまのさかほこ)』を見に高千穂峰にも登り、龍馬はその登山の様子を絵入りの書簡にしたためて姉の乙女に送っています。その書簡によると、天の逆鉾を岩から抜いてしまい、また元のように岩に突き刺したなど、真偽のほどはわかりませんが、書いてあったようです。鹿児島への88日間の旅は、二人の生涯で最も楽しいひと時でした。その翌年、龍馬は亡くなったのです。

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山椒は小粒でもぴりりと辛い

【漢字】山椒は小粒でもぴりりと辛い 【読み】さんしょうはこつぶでもぴりりとからい 【意味】山椒の実は小粒だが非常に辛い。つまり小さくても大きな威力を持っている教え。 【例文1】彼は小柄だが、山椒は小粒でもぴりりと辛くて柔道の国体選手だ。 【例文2】地道な募金活動は山椒は小粒でもぴりりと辛い。 【例文3】祖父はああ見えて元警官で山椒は小粒でもぴりりと辛い。 「山椒は小粒でもぴりりと辛い」とは、「身体は小さくても鋭い気性やすぐれた才能があり、侮ることができない」という意味です。山椒はミカン科の低木で多く自生しています。葉っぱと実は香味と辛味が強く、香辛料に使われます。よくウナギの蒲焼を買うと、山椒の粉がついてきますが、あれです。山椒の実は本当に小さく、そのくせ離れていても近くに山椒が生えているなと気がつくほど独特の香りがします。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」にあたると思うのはシンガーソングライターのaikoさんです。テレビ画面の中で見かける彼女は、他の芸能人の方々が身長が高いこともあり、とても華奢に見えますが、歌い始めると彼女の独特の世界観に引き込まれてしまいます。昔、新星堂町田店というレコード店にはaiko専用コーナーである「愛子堂」があり「aiko」ジャンルが常設され、そこには直接届けられるメッセージボックスが置いてあり、店員が彼女に届けてくれていたといいます。インディーズ時代の音源を視聴可能な、数少ない場所でもあり、彼女のファンからは聖地とされていました。今、そのお店はありませんが、ひとつの店舗だけとはいえ、ジャンルとして確立され聖地としてファンに認知されるほどの人気ぶり。やはり彼女は山椒ですね。侮れません。

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心に浮かぶ

【漢字】心に浮かぶ 【読み】こころにうかぶ 【意味】おもい浮かぶ。 【例文1】一人暮らしが長く、実家の父母の顔が心に浮かぶ。 【例文2】故郷が心に浮かぶ。 【例文3】年老いた両親が心に浮かぶ。 「心に浮かぶ」とは「心に現れてくる。思い出される」という意味です。心に浮かんだ情景を和歌に詠むのが歌人です。歌人というと特別な人のように思えますが、古代では、和歌を送ることで気持ちを伝え、和歌を返事として返しました。お互いの恋愛感情を詠んだ、往復書簡のような和歌を相聞歌と呼びました。このように和歌は古代から日常の中に普通にあるもので、特別な人々が文学的表現を競い合うようなものではありません。その普通の人々が詠んだ和歌で、現代にも伝えられ心を揺さぶられるのが、防人の歌です。防人は古代、東国から筑紫、壱岐、対馬などに赴任し、大陸からの侵略を防ぐ北九州の守備をする兵士のことです。三年毎に交代することになっていました。その彼らの詠んだ和歌が万葉集に防人歌として集録されているのです。東国の方言を用いて、親子、夫婦の哀別を歌った秀逸な和歌が多いのです。例えば「父母が頭かき撫で幸くあれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる」(両親が私の頭を撫でて無事であるようにと言った言葉を忘れることができない)や、「韓衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして」(裾に取りすがって泣く子供たちを置いてきてしまったことだよ。母もいない子どもたちであるのに)などは兵役を課せられて遠くへ来ている中で、心に浮かぶ両親や子どもを詠んだものです。とても身につまされる歌ですね。

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口を割る

【漢字】口を割る 【読み】くちをわる 【意味】秘密や真実を喋ってしまう。 【例文1】仲間が口を割る。 【例文2】容疑者が口を割る。 【例文3】問い詰められ口を割る。 「口を割る」というのは「白状する」という意味です。一休さんのとんち話のひとつに阿弥陀様に口を割らせるお話がありました。昔は甘いものは滅多に手に入らない御馳走でした。一休さんのお寺の和尚さんが、お檀家さんからの差し入れのぼた餅を自分だけで食べようと戸棚にしまっておきました。それを知った一休さんたち小僧さんは和尚さんの留守にそのぼた餅を食べてしまいます。そして本堂の阿弥陀様の口元にあんこをつけておきました。和尚さんが帰ってくるとしまっておいたぼた餅がありません。和尚さんは小僧さんたちを呼んでぼた餅を食べたのではないかと詰問します。一休さんは阿弥陀様に聞いてみましょうと本堂へ誘います。本堂の阿弥陀様の口元にはあんこがついています。阿弥陀様がお食べになったと騒ぐ小僧たちを尻目に、和尚様は阿弥陀様の頭を叩きます。すると金仏ですから「くわーん、くわーん」となりました。ほら、違うとおっしゃっているではないかと言う和尚様に、一休さんはそれでは釜茹でにしてみましょうと、阿弥陀様を釜茹でにします。すると泡を吹きながら「くった、くった」と。ほら白状したではありませんかと言う一休さんに、和尚様はぐうの音も出ませんでしたというお話です。もちろん、作り話ですが金仏ならではの結末に笑ってしまいますね。

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聞き耳を立てる

【漢字】聞き耳を立てる 【読み】ききみみをたてる 【意味】こっそり聞こうとしている様子。 【例文1】息子が初めて彼女を連れて来たので、リビングから聞き耳を立てる。 【例文2】ただならぬ険悪の雰囲気に聞き耳を立てる。 【例文3】喧嘩の様子に聞き耳を立てる。 「聞き耳を立てる」とは「よく聞こうとして耳を立てる」ことです。この言葉で思い浮かぶのは「ちごのそら寝」というお話です。古典の教材として有名な宇治拾遺集の中のお話です。比叡山延暦寺にまだ幼い稚児と呼ばれる子どもがおりました。ある晩方、手が空いたお坊さんたちでぼた餅を作ることにしました。子どもは期待して聞いていたものの、だからといって、出来上がるのを待って寝ないでいるのもよくないだろうと考え、部屋の片隅で寝たふりをして出来上がるのを待っていました。出来上がれば、きっと僧たちが自分を起こしてくれるに違いないと思って、そのまま待ち続けていたところ、僧が 「もしもし。目をお覚まし下さい。」と声をかけてくれました。ところが、すぐ一度で返事をするのも呼ばれるのを待っていたと思われるかもと考え、もう一度呼ばれたら返事をしようと我慢して寝ているうちに、 「これ、お起こし申し上げるな。幼い人は寝入ってしまわれたよ。」という声がして、ああ、困ったな、もう一度起こしてくれよと、思いながら寝て聞き耳をたてると、僧たちが餅をむしゃしゃと、ただどんどん食べる音がしたので、子どもはどうしようもなくなり、とんだ時分になって「はい。」と答えて起き上がり、大笑いされたというものです。まさしく「聞き耳を立てる」の例ですね。

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