tedukurikotoba (2563)

見るに忍びない

【漢字】見るに忍びない 【読み】みるにしのびない 【意味】あまりにもひどい状態で見ていられない。 【例文1】見るに忍びない汚い部屋だ。 【例文2】見るに忍びない事件現場だ。 【例文3】太って見るに忍びない体系になる。 とある知人、彼女を良く知っていたのはまさにバブル絶頂期。仕事で会う機会が多く、朝から晩まで働きまくっていた私に「大変ねえ」と上から目線でいつも言っていた彼女は、絵にかいたようなバブリーな生活を送っていました。彼女の努力ではなくご主人のビジネスがあたった、ただそれだけなのに、まるで自分の力のようにふるまっていた彼女。当時はちょっと羨ましいなあ、という気持ちがなかったと言えば嘘になるけど、どこか危さを感じていました。バブルがはじけてすっかり会う事もなくなっていたのに、ふとした事で再会する事になりました。久しぶりにあった彼女は、噂には聞いていたけど、すっかり老け込んでしまい当時の輝きはゼロでした。当時も輝いていたわけではなく、お金に物を言わせて輝いているように見せていただけだったけど、今は見る影もなく、覇気がなさ過ぎて驚きました。それなのに、まだ虚勢を張って、一生懸命に当時の事を語ったり、今でも何不自由なく暮らしていると豪語する姿は、本当に見るに忍びないものがありました。着ている物は当時の物を引っ張り出してきているので時代に合っていないし、持っているバッグもそうです。あれだけ指に輝いていた宝石類は全て無くなっていたのを女性陣は見逃しませんでした。帰り道、何か空しい気分になったのは言うまでもありません。

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波瀾(乱)万丈

【漢字】波瀾(乱)万丈 【読み】はらんばんじょう 【意味】移り変わりが激しい。よく人の人生に例えられる。 【例文1】明治・大正・昭和・平成を生き抜いた祖父の人生は波乱万丈だった。 【例文2】会社倒産で借金の波乱万丈な人生だ。 【例文3】波乱万丈の人生を過ごす。 40数年間という私のこれまでの人生は、自分では平々凡々なものだったと感じています。 子ども時代には多少のいじめはありましたが、だからといって自ら死を選ぶこともなかったし、 ドラマや漫画のようなドラマチックな恋愛の経験もなければ、DVやハラスメントに苦しんだこともありません。 現在も、決して生活に余裕があるわけではなく、子どもを授かることもありませんでしたが、夫婦2人で穏やかに暮らしています。 私の人生はまだ半ばで、今後どのような波乱万丈が待ち受けているのか、それとも、最期まで平凡に過ぎていくのか、それは分かりません。 それでも、今の時点では、波乱万丈な人生を過ごしてきた知人や、有名人が少々羨ましく感じてしまいます。 波乱万丈ということは、幸せな時期だけでなく、不幸に苦しんだ時期もあるということです。 当人にとっては、苦しく、辛い時期だったことを思うと、羨ましいなどとは無神経だということも理解はしているつもりです。 日々を楽しく、のんびりと穏やかに暮らす以上の幸せはない、そう思うことももちろんあります。 しかし、楽しいだけでなく、辛いことや苦しいこともあってこそ、充実した人生といえるのではないか、 つい、そう考えてしまう私は、幸せに慣れ過ぎているのかもしれません。

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亭主関白

【漢字】亭主関白 【読み】ていしゅかんぱく 【意味】家庭の中で一番権限を持つ夫をいう。 【例文1】今どき亭主関白なんて古い。家事は分担しないと。 【例文2】我が家は妻が亭主関白みたいなものだ。 【例文3】うちは亭主関白で何にもしない。 亭主関白とは一体なにか?と考える時、やはり参考になるのはさだまさしの関白宣言でしょう。俺より先に寝てはいけない。俺より後に起きてもいけない。飯は上手く作れ、いつもきれいでいろ等、女性にどこまで求めるんだ?という歌詞の羅列です。現代の日本は女性の権利がある程度確立され過去ほど男尊女卑は存在しません。もちろん、前時代的な事を言う男も存在はするが、それは全体を見ればかなりマイノリティな意見だし、実際に政治家等がそう言った発言をすれば女以上に男が怒るという場面も少なくありません。日本の精神面での男尊女卑は現代ではほぼ成立しないのです。ただ、日本の男尊女卑は精神面ではなく、システムとして存在するのだが、今回はその部分に関しては割愛します。つまり、精神面での男尊女卑が成立しなくなっている以上、亭主関白などという言葉は言葉として残ってはいるが現代の現実にはそぐわないのです。今、求められるのは家事もこなし、子育てにも協力的なイクメンです。そういえば、さだまさしは関白失脚なんて歌も歌っていたなぁ。

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少年老い易く学成り難し

【漢字】少年老い易く学成り難し 【読み】しょうねんおいやすくがくなりがたし 【意味】少年だと思っていたが、いつの間にか年を取り老いてから物事を始めるのは難しいものである。 【例文1】少年老い易く学成り難しだから若いうちに何でもチャレンジした方がいい。 【例文2】少年老い易く学成り難しだが、若者には負けない。 【例文3】少年老い易く学成り難しだからと言って諦めない。 少年老い易く学成り難しとは少年のうちは何でもたやすくこなせたが、年老いてくると何かを始めるのは難しくなるものであるということです。 現在学生さんで勉強している人、受験生の方がたくさんいると思われます。時には投げ出したくなる事でしょう。 実際勉強が嫌いだった私も高校を卒業するときは嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。早く仕事に就いて好きな物を好きなだけ買って人生楽しみたいと思っていました。旅行会社の仕事を始めてはや10年。思ったことは人間関係が難しいことです。接客業のためこちらに非がなかったとしても証拠がなかったとしてもお客様には申し訳ございませんと謝罪をしなければなりません。よく大学生と思われる団体客がやってきます。ことあるごとに旅行に行くんだと言っておりました。その時羨ましいなーと思いました。夢はキャビンアテンダントで世界中を旅するのが目的だとキラキラして語っていました。なんて華やかなんでしょう。今から大学なんて無理だと思うしもっと将来の事をよく考えればよかったと後悔していますが、私もこの仕事に就いたからには何か得る物を見つけたいです。私の父は長年務めた建設現場を退職して今はゆっくり過ごしていますが、少年老い易く学成り難しだと思わないで趣味でもなんでもいいから何かにチャレンジしてほしいと思います。

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窮鼠猫を噛む

【漢字】窮鼠猫を噛む 【読み】きゅうそねこをかむ 【意味】窮地に陥ったときは弱い者でも強い者に反撃に出る事がある。 【例文1】彼女を助けるためにガラの悪い連中に窮鼠猫を噛む。 【例文2】ブラック企業に窮鼠猫を噛む。 【例文3】窮鼠猫を噛むので油断はできない。 ここ最近、ブラック企業と言う言葉をよく耳にするようになりました。 低い賃金で社員をこき使っている企業や法律を無視して従業員を働かせている企業の事を言います。 このブラック企業と言う言葉が、ココまで世の中に知られるようになったという事は、それだけブラック企業と呼ばれる企業が多くあると言う事に他なりません。 企業は従業員を雇う立場にありますから、企業は従業員に対して色々と命令をする事が出来ます。 それが高じて、従業員に対して無理難題を言うようになったと思われます。 これまで従業員は、雇われているから仕方ないと思い、無理難題を押し付けられても文句を言いませんでした。 しかしどんどん企業側の無理難題がエスカレートして、従業員は耐えられなくなってしまったのです。 窮鼠猫を噛むと言う言葉がありますが、弱い立場の従業員たちが、強い立場の企業側に反旗を翻す様になったのです。 これまで耐えに耐えて来た従業員たちは次々に声を上げるようになり、ブラック企業の存在が世に知られるようになりました。 企業側はこれまで従業員が大人しく従っていたので、無理難題が言えていましたが、今は無理難題を押し付けると従業員側からクレームが来るようになりましたから、あまり無理難題が言えなくなったのです。 窮鼠猫を噛むのおかげで、徐々に従業員の労働環境が改善されて来ているのは良い傾向です。 猫に追い詰められた鼠が、何とか逃げようと隙を見て猫に噛みつき怯んだ隙に逃げ出す所から、追い詰められた時、なり振り構わずあがいて窮地を脱しようとする様を「窮鼠猫を噛む」と言います。 追い詰められるのはまず弱者ですので、強者にもそこに心の隙が生じ、油断した所を弱者が見逃さずに上手く利用して危機を逃れる事です。追い詰められた方はもはやこれまでと半ば諦めていますから、最後のあがきと捨て鉢で向かって来るのです。それに対し追い詰めた方はと言えば、まさか弱者が自分に向かって来るなど想定していないので、一瞬ギョっとなり相手に気後れするのです。そこを逃さずつけ込めれば直面している危機からは脱する事が出来ると思います。 大事なのはその一瞬の隙を見逃さずに突けるかが勝負であり、それを逃せばもうチャンスは巡って来ないと諦めるしかないでしょう。ちなみに多くの方が誤解をされていると思いますが、猫が鼠を捕獲するのは食用ではなく、遊び用のおもちゃであるのです。捕まった鼠も食べられて猫の血となり骨となるのならまだ納得もいくというものですが、実際は死ぬまでこき使われ動かなくなれば途端に興味を失くすのが猫の性質なのです。それなら鼠が是が非でも逃げ果せたい気持ちは判りますし、おもちゃとしか見ていない猫などに捕まるのは避けたい筈です。

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