tedukurikotoba (2563)

針のむしろ

【漢字】針のむしろ 【読み】はりのむしろ 【意味】非常につらい状況にいる。 【例文1】30年ぶりの同窓会に出席したが、全員既婚者で幸せそうで俺は独身。針のむしろだ。 【例文2】経営が悪化して針のむしろ。 心がいとときも休まらない環境を「針のむしろ」と表現しますが、それがたとえ数時間だけの短い期間だけでも程度によっては気力・体力をゴリゴリと削ってくれます。 特に仕事で大失敗をしでかしてしまったときの状況など、まさに針のむしろと表現できるでしょう。上司は激怒、取引先には平謝り、帰ってきたら上司の説教、同僚からの援護など一切なしと、四面楚歌とは言いませんが、孤立無援、この世の地獄とも思える状況が作り出されます。 顔だけ神妙にして、内面の心は豆腐や糠のごとくにして責め苦を受け流せれば、ノーダメージで済むのですが、小心者にそのような芸当が出来ようはずもありません。客からボロクソに言われ、上司はそれをさらに増幅して言い、ライフポイントはゼロどころかマイナスになりそうです。下手な言い訳も出来ず、逃げることなど尚更に出来ず、身動き一つとれずに責めを受けるこの状況、針のむしろのほうがまだ楽なのではないかとすら思えてきます。 そういえば、ハフォーマンスで針だか釘だかを一面に生やした上に裸で横たわるというのを見たことがあります。均等に力を分散させれば痛くないし怪我もしないというのは理屈では分っていても目の前で実演されると結構な不思議でした。そうしてみると、針のむしろという言葉はいささかながら足りないようにも思えます。我が上司の説教は、適確にダメージを狙ってサクサクと突き刺さってくるのですから、痛くないなど気休めにも言えないのですから。

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将を射んと欲すればまず馬を射よ

【漢字】将を射んと欲すればまず馬を射よ 【読み】しょうをいんとほっすればまずうまをいよ 【意味】大将を倒すにはまず大将が乗っている馬を射とめよ。目的を果たすにはその周りから狙う方が良いという教え。 【例文1】将を射んと欲すればまず馬を射よ作戦で彼氏のお母さんと仲良くする。 【例文2】将を射んと欲すればまず馬を射よ戦略で褒めから入る。 「将わ射んと欲すればまず馬を射よ」という言葉は故事から由来しているために、なんだか難しい言葉に聞こえますが、意味を理解すれば極めて単純なことといえます。 敵の大将を射ようとする前に、まず大将が乗っている馬を射よ、という意味で、目的を達成しようとするためには、周囲から固めていった方が成功の近道である、という使い方をされるのが一般的です。 例えば学校や会社でとてもタイプな人を見つけたとしても、直接話しかけるのは難易度が高いですし、相手によっては身構えてしまうかもしれませんよね。 そこで共通の友人を味方につけておくことで、知り合う場もセッティングしやすいですし、友人から自分のアピールポイントを伝えてもらうこともできます。 恋愛においてとても効率的な方法ですよね。 また、仕事において、自分の功績をアピールするためにも、会社のトップではなく、直属の上司を味方につけておくと、会社内での自分の株を上げることも簡単となります。 急がば回れ、という言葉にもあるように、一見遠回りでまどろっこしいやり方に見えても、終わってみたら結果近道になる、という意味で、公私共に共感を呼びそうな言葉ですね。 せひ座右の銘として、密かに掲げてみてはいかがでしょうか。

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急転直下

【漢字】急転直下 【読み】きゅうてんちょっか 【意味】事態が急に解決に向かう。 【例文1】彼氏とケンカしていたが、友人が仲裁に入り急転直下。 【例文2】彼女の機転で急転直下。 【例文3】事件は難航していたが目撃証言を得て急転直下。 状況が急速に展開して、物事がひとつの終着点へ収束していく様子を「急転直下」と表現します。急転で物事がすごい勢いで進み、直下で一直線に落下するが如く結果へ向かう様子を表しています。 物語が進行する上で、ほのぼのとした日常場面と荒々しい切迫した事件を織り交ぜるのは、最近ではよくある手法です。激しい戦闘が連続してそれがひと段落すると、各登場人物たちの能天気な生活を描写したり、逆に第三話あたりで主要な人物と思われていたのにいきなり死亡するなどは既にテンプレート化していると言ってもよいくらいです。 奇をてらい過ぎると視聴者が付いていけず、在り来たりなお約束な展開は安定しますが、先が見えて楽しめないという矛盾に対して、どのような答えを出すかが脚本家の腕の見せ所な訳です。どういうわけか、ある程度有名であれば出来不出来は特にスポンサーが気にすることも無いようで、三話切りになりそうな駄作が大量生産されているような気配もしますが、駄作は淘汰されるので心配御無用です。 急転直下な怒涛の急展開が嫌いならば、ほのぼのとした日常を延々と描き続ける作品などがお薦めです。多くの作品は、最終回が近づくと全力で終わらせようとする強引な力が働くためか、どうしても急転直下な展開になりがちです。その点、ひたすら平々凡々とした流れで終始する物語は、さしたる感慨も無く、まるで次回もあるのように終わってくれます。

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株を守りて兎を待つ

【漢字】株を守りて兎を待つ 【読み】かぶをまもりてうさぎをまつ 【意味】農夫が農作業をしているとウサギが切り株に激突して獲物を簡単に捕らえた。次の日からずっと切り株を見張っていたが、二度とウサギが激突する事はなく村中の笑い者となった話である。偶然の幸運をあてにする愚かさをいう。 【例文1】株を守りて兎を待ってても幸運は続かない。 【例文2】株を守りて兎を待つのは1回だけ。 【例文3】次もうまくいくとは限らない。株を守りて兎を待つだ。 魚釣りをしていると株を守りて兎を待つになることがあって、魚といえども兎と同じような状況になるんだなと思うことがあります。最初は爆釣で調子が良くも同じ場所でずっと釣っているとそのうち釣れなくなってきます。勘のいい人なら株を守りて兎を待つを避けることはできますが、経験の浅い人だと日が暮れるまでずっと同じ場所で釣りをすることが多いのです。一時的に釣れたものの、その後はさっぱり釣れないといったことが起こる原因としては潮の流れが変わったり、水温の変化によって魚がいなくなります。海だとクラゲが来ることによって、魚が釣れにくくなるといったこともあります。会社でも新人の営業マンが株を守りて兎を待つをやらかします。最初のうちは親切に対応して商品を買ってくれても、二回目となるとあざとさが出てくるので、お客としてはもういいかなという心境になってきます。最初に商品を買ってくれたのは付き合いだったかもしれませんし、純粋な気持ちが伝わって買ってくれたのかもしれません。二回も続けて同じ営業マンから買うのは信頼があるときです。株を守りて兎を待つの状態にならないようにするには、しばらく間を空けてほとぼりが冷めたころ、再チャレンジすることで成功していくと思われます。

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一触即発

【漢字】一触即発 【読み】いっしょくそくはつ 【意味】少しでも触れば爆発しそうな状態から、危機に直面している様子。 【例文1】今月もこの状態が続くと一触即発で廃業に追い込まれる。 【例文2】売り上げが激減して経営が一触即発。 【例文3】負けたら後がない。一触即発の試合だ。 私の職場には一年ほど前までちょっとした人間関係のトラブルがありました。それがAさんとBさんの対立です。お互い表面上は上手くやっているように見せていましたが、実際には裏で陰口のオンパレード状態。それを聞かせられるのは私達他の社員でしたから、みんな正直飽き飽きしていました。そんな状況が数年続き、関係はどんどん悪化していったんです。最後の方ではまさに一触即発の状況が続いていました。 AさんもBさんも独身で、実は二人とも同期なんです。同じくらい仕事が出来ますし、正直似ているところも多いと思います。ただ、本人達はお互いのことを正反対だと考えていたみたいですね。Aさんは女性らしいシルエットの洋服が好きで、Bさんはわりとかっちりとした洋服を着こなす方。見た目の差こそあれど、中身は本当によく似ている二人です。だからこそ争いに発展したのだとは思います。 しかし、こんな一触即発の空気の中、それを破った人がいました。それがCさんです。Cさんも独身でAさんとBさんの後輩にあたる方なのですが、ご結婚が決まったわけです。そして、ウェディングハイ状態で「二人ともどっちもどっち」と本人に言ってしまったのです。それからは二人とも今までのことが嘘のように仲良くなり、敵視されたCさんは即寿退社。正直表面上穏やかに見えますが、いつまた一触即発になるのかとヒヤヒヤしています。 僕は高校の頃野球部に所属していましたが、たまに練習試合として近くの他の高校と戦っていました。 そのとき僕はセカンドを守っていました。自分で言うのもなんですが、強打者でした。 そしてとある練習試合で僕はデッドボールを受けたのです。 そのときに僕のチームメイトの一人が代わりに相手ピッチャーに注意をしてくれましたが、事もあろうに僕は次の打席でもデッドボールを受けて、さすがにわざとだろうと、さっき注意してくれたチームメイトがマウンドまで言って強く抗議したのです。 それからはそのピッチャーとチームメイトは完全に仲が悪くなりました。 その数ヵ月後、また同じ学校と練習試合をすることになり、チームメイトは「あのピッチャー出てきたらただじゃおかない」くらいの事を言っていたので、まだ怒りはおさまってない様子です。 そして試合当日、ついにあってはならないことが起きました。 その試合はやはりあのときのピッチャーで、そしてなんと因縁のチームメイトにデッドボールをしてしまったのです。 ここで完全にキレたチームメイトはマウンドにかけより一触即発の事態に。 しかしここは相手の選手たちが逆にピッチャーに注意をして場をおさめました。 そのピッチャーはしばらく試合には出ることを禁じられたようです。

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