tedukurikotoba (2563)

私利私欲

【漢字】私利私欲 【読み】しりしよく 【意味】自分の利益と欲望が満たされればそれでいいという考え。 【例文1】彼は私利私欲のために友人を失った。 【例文2】私利私欲で店が潰れた。 自らの利益の為にしか行動しない人の心情を表す表現が「私利私欲」であります。「私利私欲に溢れ、悪行を尽くす代官」や「あいつは私利私欲の塊」と言う具合に、どこまでも自分本意な人の事を指します。響きから判る様に決して褒め言葉ではなく、利己的な考えに否定を促す言葉なのです。私利私欲に塗れた人は、周りの評価や印象などは気にも留めず、ただひたすら己の欲の赴くまま行動するのです。それで例え嫌われようが知った事ではありませんし、むしろ他人に気を使って自分が損をする方が勿体ないと感じているみたいです。悪く言えば、自分さえ良ければ身内すら押しのけて利を追求する貪欲さの持ち主でもあるのです。結果として協調性や思いやりの精神にはやや欠けており、「損をせずに得を掴む」事ばかり考えているのです。余程のメンタルの強さがなければ早々なれるものではありませんし、印象から言えば図太い人とか厚かましい人という感じがします。人の誹謗中傷に怯む事なく、我が道を行く今で言う所の「空気読まない人」にその資質が備わっている気がします。中には周りに目配せしながら、ちゃっかり頂くものを頂く隠れの私利私欲者がいるかもしれませんが、どうしてもふてぶてしい人の印象が先んじてしまい気遣いの出来る人に思えません。ですがもしかしたら、ある意味気を使っている体で私利私欲を肥やしている人の方が、実はタチが悪いのかもしれません。 私利私欲が強すぎると、物事は上手くいかないことが多いようです。 例えば、誰かのためになるようなお金の使い方であれば、それは生きた投資になり、将来は増えて戻ってくることが期待できます。 しかし、自分の私利私欲のためだけにお金を貯め込んだり、使うということは結果的に無駄金になってしまうと思います。 それはたとえ、お金を貯め込んだとしても、無駄金と一緒で、思わぬ出費に繋がってしまいます。 誰かに騙されてお金を取られたり、火災や自然災害などで、大現金を失うかもしれません。 それは単に運が悪かったというだけのことではなく、やはりお金の使い方に問題があるのだと私は思います。 世の中は予想もしない不運に見舞われてしまうことがあります。 そのような時、思いもしない善意を受けると、いつかは自分もその恩返しをしなければと思うようになります。 大変な目に遭わないと、そのことに気が付かないのも情けないものですが、できればもっと早くそのことに気が付いていたら、このような不運に出遭わなかったのかもしれません。 しかし、いろいろな経験をしてこそ見えてくるものがあります。 一時期は私利私欲になっていたとしても、それに自分が気付くことで、その時から自分を変えていくことができると思います。

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曲学阿世

【漢字】曲学阿世 【読み】きょくがくあせい 【意味】学問の真理を都合よくねじ曲げ、世の中にあやかって人気を得ようとする。 【例文1】曲学阿世の政治家が当選した。 【例文2】曲学阿世の演説が高齢者に支持する。 「曲学阿世」という言葉を調べでみるとこの言葉は、学問の正しい態度を曲げて、世の中に迎合すること、という意味だそうですが、まさに現代を象徴している言葉だと思います。 特に日本人は争いを嫌う平和主義な傾向にあるため、他者を批判することなく、周りと足並みを揃えようとします。 そのため、多少違和感を覚えることでも、あまり否定的にならずに自分が合わせようとするのです。 自分の信念がない、という意味にも捉えられますが、成功者にはこの自分の信念を貫き通す人と、他者に寄り添うことで周りの人望を集める人と二通りいると私は思います。 勿論これは業種にもよるのかもしれませんが、どちらのタイプにせよ、その人柄に惹かれて後ろをついてくる人は出てくることでしょう。 しかし、日本人に曲学阿世な考えがこれ以上浸透していくことは、それぞれの個性が失われることになるのではないか、という懸念も捨てきれません。 個性が溢れてこそ色々な考えが生まれて、豊かになると思うので、なんとも言いがたい現代社会の問題であるように私は思います。

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借りてきた猫

【漢字】借りてきた猫 【読み】かりてきたねこ 【意味】普段と違っておとなしくしている様子。 【例文1】息子の彼女が挨拶に来た。活発で明るい子と聞いていたが、借りてきた猫状態だった。 【例文2】男性陣の前では借りてきた猫みたいだ。 自分のパーソナルスペースであったり、仲間内で遊んだり、気心の知れた仲間とであればどんな自分もさらけ出すことができたり、少しくらい羽目を外しても良いかなと思うこともあるでしょう。けれども、知らない人の多い大多数の集まりにポツンと一人で行った場合に皆さんはどのような行動に出るでしょうか。知らない人とでもすぐに話せる人ならば隣の人に挨拶や自己紹介を簡単にして話を始めるかもしれません。知らない人と話すことは、自分の知らなかったことを知れるチャンスにもなるからです。大勢の場で社交的に話しかけることの出来る人ばかりてはなく、どうしたら良いか困ってしまい広いスペースの端の方に行ってしまう人もいるかもしれません。ただ、そのような人もいつもそうかと言うと、そうではなかったりします。身内の気心知れた仲間とであれば、ざっくばらんに笑って話せるけれども不特定多数の場では固まってしまうことがあるのです。つまり、借りてきた猫のように大人しくなってしまい、いつもと全く違った姿になってしまうのです。とかく日本人は借りてきた猫になりがちです。積極的に人との交流が持てるようにひごろから仲間だけでなく、様々な他人との接点を持っておくことが大切です。

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一石を投じる

【漢字】一石を投じる 【読み】いっせきをとうじる 【意味】静かな水面に石を投げると波紋が広がるように、反響を呼ぶ問題を投げかけること。 【例文1】SNSでつぶやくだけで一石を投じる時代だ。 【例文2】会議で新たな問題が一石を投じる。 何かしらの状況や規制に、波紋を生じさせる言葉や行動を投げかける事を「一石を投じる」と言います。それはまるで揺らぎ一つない水面に、小石を落して波紋が出来る様に微動だにしなかった状況を揺り動かすきっかけを作るのです。結果的に何も変わらないとしても、人の心には極微小の歪を生み出している事でしょう。「世の中の停滞した雰囲気に、一石を投じる」や「固定概念で縛られた世界に一石を投じる」など、それを遂行する者にはかなりの勇気とその人なりの確信がなければなりません。既成路線で動いているものを変える事は容易ではありませんし、それで通して来た人達にとって最も忌み嫌うのが変化だと言えます。昨今耳にする岩盤規制というのは、まさに変えたくない人達の大事な防壁だったりするのです。しかしいつかはそれを変える日が来る訳ですし、変えるべきを変えずにいれば後々その事が障害になってしまうかもしれないからです。だからと言って何の説得力もない人がそれをやろうとしても、何も変わらないし変えられない可能性が高くなるだけです。遂行者は誰が見ても説得力を兼ね備えた人でなければいけません。信頼に値する人格者であれば、皆耳を貸す気になってくれるでしょう。但し、子どもの無垢な発想が時に物事を突き動かす事もあり、必ずしも人格者だけという事でもありませんから、そこが世の中の難しい所です。

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飴と鞭

【漢字】飴と鞭 【読み】あめとむち 【意味】褒めるときは褒め、厳しくするときは厳しくする方針。 【例文1】我が子には飴と鞭で育ててきた。 【例文2】飴と鞭の教育方針が成功の秘訣だ。 飴と鞭とは甘やかす反面、厳しくもある躾を言います。 子どもを持つ親ならばどこの親御さんも、わが子の躾には気をつけたいところではないでしょうか。 私にも二人子どもがいますが、2歳くらいまではのびのびと育てましたが、成長するにつれ、自我が大きく芽生えイヤイヤ期にさしかかった時は本当に大変でした。食べる時に服や床に落とされるのが嫌で私が口に運んでいたのですが、泣きじゃくったり、食べなくなるので、自分で食べさせることにしました。案の定、服は汚すわ、床に落とすわ、落ちた物も口にするわで落ち着かなかったけど、自慢気に食べている顔を見たら、私が床に新聞紙をひいたり、汚れが落ちやすいプラスティック製のよだれかけをかければストレスが減ると気付きました。 残さず食べきることができると手を叩いて褒めました。そのかわり、満腹感を得ると食べ物で遊びだす事もあり叱りもしました。 時は経ち中学生に成長して飴と鞭をバランスよく使い分ける事は難しかったです。 やはり受験期に差し掛かると本人の緊張や不安が家族にも伝わってきてピリピリして気を使いました。いくら努力してもできないものはできない事だってあります。執着しないでできる事から始めればいいと言ったところ気持ちの切り替えができて前に進む事が出来ました。

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