tedukurikotoba (2563)

切り口上

【漢字】切り口上 【読み】きりこうじょう 【意味】一語一語はっきり区切って言う。堅苦しい語り。 【例文1】結婚式の上司の挨拶が切り口上で長い。 【例文2】乾杯の音頭が切り口上だ。 職場で先輩に「話すときに責めているような口調になっているから気を付けた方がいい」と注意されたことがあります。 自分では意識がなく、反省もしているのですが、普通のことを話すにしてもびくびくしてしまうようになっていました。 友人に相談してみると、「知らないうちに、切り口上になっているのかも」と言われました。 その友人は私の話から責めてるような空気は感じていないそうなのですが、可能性としてはあるかも、とのことです。 語尾を柔らかく感じられるような言い回しに変えてみるといいよ、とアドバイスをくれました。 「こうだ」と言い切るのではなく、「こうだと思うのですが、いかがでしょうか?」というようなイメージだそうです。 先輩や上司など、敬うべき立場の人と話をするときには特に、これを心掛けてみるといいと教えてくれました。 今、一生懸命、そうできるように努力しています。 なるべく相手にきつい印象を与えないような言い回しや、語尾の使い方など、本を読んで勉強するようにしました。 すぐに使いこなせるようにするのは難しそうですが、努力すれば身につくと信じています。 話すことを恐れているようでは、本当に毎日がつらい思いでいっぱいになってしまうので、頑張ります。

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感慨無量

【漢字】感慨無量 【読み】かんがいむりょう 【意味】言葉に表せないくらい心に深く染みる。感無量と言うことが多い。 【例文1】長男が初任給で花と現金をくれたときは感慨無量で涙が出た。 【例文2】娘の結婚式は感慨無量だった。 もともと子どもが好きだとか、どうしても子どもが欲しいという気持ちが薄かったのですが、結婚して夫と暮らし始めてから、この夫と子どもという家族が欲しいという気持ちが強くなりました。結婚が遅かったのもあり、子どもが授かるかどうかというギリギリの年齢だったので、不妊治療のお世話になりました。治療はなかなかうまくいかず、金銭的にも精神的にも結構追い詰められた状態が続きましたが、念願かなって息子を授かる事ができたのです。無事誕生してくれた時には、もう他には何もいらない、この子だけが健康で幸せでいてくれたら、という初めての感情を持ち、誕生してくれたという事実に感慨無量でした。子どもの成長は待ったなし、新生児だと思っていたらあっという間に赤ちゃん、そして乳幼児となり、ハイハイをしたと思ったらつかまり立ちをして、あっという間によちよち歩き。今ならもっとその一瞬一瞬を大切に見届けられるのですが、当時は初めての育児に日々追われていて、感動よりも早く大きくなって!という気持ちが強かったです。そんな息子も小学生になり、ぶかぶかの制服を着てスクールバスに乗り込む所を初めて見た時に、赤ちゃんからの色んな場面が頭の中に一気に押し寄せてきて、もうダメ、涙腺崩壊でした。感慨無量とはこのことだなと思った瞬間でした。まだまだ子育ては続きますが、息子との日々をもっと大切に過ごしていきたいとあらためて思っています。

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一杯食わされる

【漢字】一杯食わされる 【読み】いっぱいくわされる 【意味】まんまとしてやられる。軽く騙される。 【例文1】友人達がサプライズで誕生日パーティを開いてくれた。これは一杯食わされた。 【例文2】結婚詐欺師に一杯食わされる。 思わぬ形で信じていた事の虚を突かれる場面で使う言葉が「一杯食わされる」と言います。「敵に一杯食わされる」や「小娘に一杯食わされる」など、相手を甘く見たが故にその油断を見事に突かれてしまうのです。自分の予測より相手の思考の方が上手だったが為に、思わぬ状況に陥らされてしまうのです。いわば敗北感で心を一杯に満たされた事からそういうのではないでしょうか。駆け引きを要する場に於いて油断は禁物ですが、どう転んでも負ける訳ないと踏んだ相手に意外な手段でしてやられる事もままあります。相手はとにかくあらゆる角度から状況を打開する方法を絞り出し、絶妙なタイミングで実行するのです。こんな手をやって来ないと思っている所にその作戦をされたら、一気に動揺が走り形勢は立て直せないまま勝負が付いてしまいます。俗に狐と狸の化かし合いというのは、どっちが相手をうまく騙せているかがカギであり、まさに「一杯食わされる」方が負けなのです。どちらも化けの達人であり、いかに相手の及ばない所で勝負するかを競い合うのだと思います。何重ものトラップを仕掛け、先に安心した方が負けに繋がってしまいます。先の先を読み合うには、かなりの策士でなければ務まりません。

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泡を食う

【漢字】泡を食う 【読み】あわをくう 【意味】驚いてあわてて逃げ出す様子。 【例文1】庭にヘビが出て泡を食う。 【例文2】山でイノシシと遭遇して泡を食う。 去年、兄が結婚しました。兄嫁さんは、何故うちの兄なんかと結婚したのかと思うほど可愛らしい女性です。小柄で本当に小動物のような感じ。初めて見た時に、思わず可愛い!と口に出してしまったほど。私より5歳も年上の女性に失礼なことを言ってしまったと思ったのですが、ニコニコと私の手を握って大丈夫よと言ってくれます。そんな性格の良さにも私だけではなく親戚一同ニッコリ。大金星だと兄は一躍時の人状態です。 しかし、実際に結婚してみると、兄嫁はちょっと変わった人でした。その行動に対しては泡を食うことばかりです。例えば、ホームレスの方を見かけるとすぐに声をかけます。行政を頼れば生活保護がもらえること、NPO法人などに助けを求めれば行政もよく動いてくれることなどを勢い良くアドバイスするのです。最終的には、しばらくうちに来れば良いなんて言うのですから大変。世の中善良で事情のあるホームレスさんがほとんどでしょうが、中には嫌な事情のある人だっています。この思い切りの良さには驚きました。 趣味も、とても可愛いのに演歌を歌うこと。これは泡を食うしかないと思います。洋服もピンクで可愛いと思っていましたが、それは兄の趣味で実際にはジャージが好きとか。良い人ですが、身内となるとちょっと大変ですね。

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未曾有

【漢字】未曾有 【読み】みぞう 【意味】今までなかった出来事。きわめて珍しい。悪い事態に使われる。 【例文1】いつかまた起こるかもしれない未曾有の災害に備える。 【例文2】これまでにない地震に襲われる。 未曾有。ニュースなどでは比較的良く耳にする言葉ではないでしょうか。未曾有の大災害などというときに使います。意味は、いまだかつてないという意味です。 しかしこのワード、聞くたびに思い出してしまうのは、漢字が苦手な元総理大臣です。たしか、「みぞうゆう」と読んで話題になりました。 この元総理、他にもたくさんの読み間違いをしています。例えば、踏襲(とうしゅう)をふしゅう。踏は音読みで「ふむ」と読むのでそこから来たのでしょう。 他には、頻繁(ひんぱん)をはんざつと読みました。これは、「繁雑」と「繁」の字が被っているのでまだましでしょうか。 さらには低迷(ていめい)をていまいと読んだようです。確かに迷子の「まい」なのですが。これくらいは当時小学生のうちの子でも読めましたので、こんな簡単な漢字が読めなくても総理大臣になれるということでうちの子は将来に希望を見出していました。 ところで未曾有の大災害や未曾有の大惨事などと、悪い意味で使いがちなこの未曾有という言葉ですが、本来は奇跡的な出来事などの良い意味に使われる言葉だったようです。しかし、いつの間にか、なぜだか悪い意味で使われることが多くなってしまったようです。 未曾有の大惨事となった東日本大震災の時、私は石川県金沢市のファッションビルにいました。友達と一緒に店内を物色しているところで、「あれ、今揺れなかった?」と言った程度でした。他の人たちも、地震だと気づいていない人がほとんどでした。ところが、家に帰ってみると信じられない光景が映し出されていました。一体何が起こったのかと混乱しました。それから数日は実害はないものの不安な日々を過ごし、福島原発のニュースを固唾を飲んで見守っていました。数日たって、被災地のために何かできることをと思い献血に行きましたが、大勢の人が献血に押しかけ血液は足りているということでした。電車や自動車といった交通網も遮断されている中、混乱のためボランティアも受け入れ困難な状態が続きました。私は自分があまりにも行動力がなくて、何もできないことに愕然としました。同じような人は少なからずいたのではないでしょうか。今となっては、東北は元の姿を取り戻しつつあります。人間の底力はとてつもないことを実感しました。家族も家も仕事も全て失っても、生きる人がいるという事実だけで、自分も精一杯生きようという気持ちになるものです。未曾有の大震災の後には、未曾有の復活劇が待っていました。

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