tedukurikotoba (2563)

百鬼夜行

【漢字】百鬼夜行 【読み】ひゃっきやこう 【意味】素行の悪い者達が自由勝手に振る舞う様子。 【例文1】深夜コンビニに若者が百鬼夜行で騒がしい。 【例文2】取り立てやが百鬼夜行だ。 【例文3】若者がたむろして百鬼夜行だ。 少し前のことになるが妖怪が出てくるような小説や漫画にはまっていたことがあります。そこでは妖怪たちを統べる長のような存在が自分の思いや主義を持って百鬼夜行を行うなんて描写がありました。その百鬼夜行を行う長たちは誰もが誰かのために方法は様々でしたが妖怪たちを集めていく姿を見ました。そんな姿は勇ましかったり悲しかったりと複雑な気持ちになるものが多く清々しい気分で読めるものはなかなかありませんでした。そんな中で他とは雰囲気の違う百鬼夜行を読んだ時の感動は忘れられません。一年の締めくくりの大晦日の日、一年の中で使われてきた道具たちが大切に使ってくれたことに感謝しながら憑藻神のような存在になり最後の日を百鬼夜行で彩っていました。筆やメモ帳、箸に櫛と小さなものばかりでした。鬼や九尾に餓者髑髏なんて華々しいものでもありませんでした。それでも他に読んだものとは違う温かな賑やかしさはそこに描かれていた人々と同じように自分まで笑顔になっていくようで自分が普段から使っている物を大切にしていかなければと感じさせてくれました。小さな物たちの最後の凱旋の様に描かれていた百鬼夜行ですがどの百鬼夜行よりも身近で最近の物の使用の仕方や消費社会と呼ばれている現代だからこそ考えなければいけないものがあると感じさせてくれました。

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鼻を明かす

【漢字】鼻を明かす 【読み】はなをあかす 【意味】相手を驚かせてあっと言わせてやること。 【例文1】今月の営業成績で同僚に鼻を明かす。 【例文2】綺麗な彼女をお披露目して鼻を明かす 自分は嫌いな上司がいます。その上司の鼻を明かしてやりたいと思っています。人には色々と理不尽なこと言うのに自分はと言うと人に言ったことを自分の行動に伴っていないからです。あるとき、仕事の準備が出来ていないと罵倒されたので、こちらとしても落ちこんだり、怒りがこみ上げて来たりしました。よし準備で罵倒されたのでは自分のプライドもなにもありません。早く会社に出てきて準備を周到にしました。その上司の鼻を明かしてやった訳です。私はプライドを傷つけられると脆いところがあります。器用な自分ではありませんので努力で相手の鼻を明かすしかないと思います。その為には人が一つするところを何倍も努力して人並みになるか、人の鼻を明かさなければならないと思う次第です。人の鼻を明かすして何になるかと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、時には人の鼻を明かすことも大事なことではないでしょうか。そして人が自分を認めてくれたらこの上なく自信がつくと思います。自信がついたら実力がつくと思います。そのようなことを日々実行していこうと思っています。何か悪意を持って鼻を明かすのはあまり良くないとは思いますが、自分を向上させるのに相手の鼻を明かすのは良いことだと思います。

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度を失う

【漢字】度を失う 【読み】どをうしなう 【意味】非常に驚いて平常心を失う。 【例文1】あんなにおとなしかった息子が可愛い彼女を連れて来て度を失う。 【例文2】友人が事故に遭ったと聞いて度を失う。 私は救急病院で働く看護師です。私たちが最もやってはいけないことは、忙しさで慌てて度を失うことです。 どんなに忙しくても、どんなに重症の患者さんが来ても、いつも自分の心を冷静に保って確実に一つ一つ行動しなければなりません。 患者さん自身や家族が突然の怪我や病気に度を失っていることが多いので、私たちが堂々と接することで安心してもらうことが大切です、 と言っても新人の頃は、私自身が度を失って失敗したことがたくさんあります。私の場合は、重症の患者さんは気を張るのかかえって淡々と処置することができたのですが、酔っ払いの患者さんに苦労しました。体を触って来たり、卑猥な言葉を投げて来たりとしつこく絡まれて、つい腹を立てて冷たく接してしまったことがあります。他の患者さんがたくさん並んでいるのに、大したことのない怪我なのにくだらない会話で手を煩わされることにムカッと来てしまいました。夜中なのでスタッフの数も足りておらず、他のスタッフに助けを求めることもできず無理に一人で対応しようと思ったことが悪かったのかもしれません。その後もミスの連発で、焦りが焦りを呼ぶ始末でした。やはり一回度を失うと負けと思わなければなりません。

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手を握る

【漢字】手を握る 【読み】てをにぎる 【意味】力を合わせて協力する。 【例文1】横断幕をクラス全員手を握って完成させる。 【例文2】兄と手を握って共同経営者となる。 【例文3】手を握って試合に臨む。 「手を握る」とは、利害が一致する相手と結託・共謀する時の同盟関係を指します。一人で対抗勢力に立ち向かえば勝ち目がないのなら、その相手と同様に敵対している誰かと協力し合う事で、道が開けるかもしれないのです。それなら例え一時的でも手を組む事でライバルの一角を崩した方が後の戦略も立てやすくなり、何なら手を組んだ相手さえ後から料理する事も容易かもしれません。尤も手を組んだ相手も同じ考えかもしれませんので、倒したい相手が一緒でも決して油断しない方が身のためと言えます。お互いに思う所あって手を握ろうとするのですから、細かい柵は置いといて目の前の大きな目標を、まずは達成する事に重きを置く考え方が時に役立つ事があるという事です。本当に気の合わない人間と同盟を結ぶのは相当難しい話ですし、何かしら相手の見どころが見い出せていないと、そもそも手を組もうとは思えません。もちろん手を握った結果、やっぱりコイツとは合わないと再認識するかもしれませんが、それでも背に腹は代えられない状況なら、仕方のない選択と言えます。手を握るという言葉のイメージからはどこか悪巧みの匂いを感じるのですが、強大な勢力に対抗するにはそうする事も時には必要な措置なのです。 うちの娘はよくわたしの手を握る。 わが子の手を握るのは当たり前のことなのですが、うちの娘はもうすぐ20歳なのであります。 となりに座ってテレビを見ている時、会話をしている時、一緒にショッピングに出かけた時、彼女はわたしの手を握るのです。 そして必ず言います。 「握り返して!」 もう一度言います。彼女はもうすぐ20歳です。 理屈っぽくて我が子ながら、難しい子だなと思います。 屁理屈が多く、扱いづらい子どもです。 小さい頃はとても素直で、手のかからない子どもでした。 その分、上の子に手がかかりましたが、今は反対です。 上の子は物わかりがよく、よくわたしと娘の口論の仲裁をしてくれ、丸く収めてくれます。 普段は上の子が不在なので、口論が始まると収まらないし、何日も会話をしないこともあります。 親子であっても人間。性格の合う、合わないってあるんだなぁと実感します。 でも喧嘩をしていない時、彼女はわたしの手を握るのです。 口論の時はものすごく憎たらしいし、わたしの気持ちが全く伝わらない宇宙人のような感覚になるのですが、そっとわたしの手を握るとき、娘をとても愛おしく思います。 これが家族なのだろうと実感します。 悪いところも無条件に受け入れることができるのは家族だけなのです。

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玉に瑕

【漢字】玉に瑕 【読み】たまにきず 【意味】ほとんど完璧なのにわずかの欠点がある。 【例文1】可愛いけどおっちょこちょいが玉に瑕なんだよな。 【例文2】住まいは良いが、交通量の多さが玉に瑕だ。 【例文3】イケメンだけど背が低いのが玉に瑕。 私は子どもの頃にこの歌で「玉に瑕」という言葉を知りました。玉に瑕とはほとんど完全に近いのにわずかに欠点があることです。 例えばレストランに玉に瑕があるのは、困る。せっかく美味しいのにねぇ…などとなっては2回目からは食べに行かないでしょう。不動産物件を見に行って玉に瑕を見つけてしまっても、残念。駅から近いし治安も良さそうだし、収納もばっちり、なのに日当たりだけが悪い、とか隣の人がうるさそうだ、とか気づいてしまうとなかったことにするのは難しいものです。 人ならばどうでしょう。容姿端麗に加えて聡明で秀才、親切で性格も温厚、非の打ち所がない人物をあなたの恋人候補として友人から紹介されたとします。人として完璧だけどもちょっと怖い。もしかしたらお酒を飲むと人格が変わるのではないだろうか、それとも返せないような借金があるとか…などと悪い想像を膨らませてしまうのです。

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