tedukurikotoba (2563)

一目置く

【漢字】一目置く 【読み】いちもくおく 【意味】囲碁からきた言葉である。ルールにのっとって弱者が先に碁石を一目置くことから、自分よりも優れた人に敬意を示す意味になった。 【例文1】彼は新人ながら一目置く存在だ。 【例文2】彼女の人生に一目置く。 【例文3】誰もが一目置く逸材だ。 一目置くとは囲碁から生まれた言葉で、弱いほうが勝負に先立って盤面に一目先に置かせてもらうことを由来としています。 実際に囲碁をやってみれば分りますが、ある程度の力量差があれば一目や二目はあっという間に追いつかれ覆されてしまいます。 まあ、あまりに実力差がある場合などは一目置くなどという表現は使用されません。 使用されないというよりも使用すべきではないという方が正しいでしょう。 一目置くとは大抵の場合、同期や同格の集団にあって一歩抜きん出ている状態を指すようです。 その道の達人や自分の師匠筋にあたる人物に一目置くなどと言ったら鼻で笑われることでしょう。 一目置くは、一目置くことで勝負になるかもしれない相手に対して使うものだからです。 将棋で飛車角落ちで勝負するような実力差ならば、一目置くの範囲には全く入りません。 それは、胸を借りるとか稽古をつけてもらう、ほとんど負けることが分っている状況で指導を受ける状況です。 指導する先達が教え上手で、指導を受ける側が意欲的に技能を吸収しようとすれば、面白いくらいサクサクと上達するでしょう。 その場合は圧倒的な実力差は悲観すべきものではなく、むしろありがたく思うことになります。 1つのことを極めた人は、誰もが一目置くような存在になります。 ここまで行きついている人に共通して言えるのは、同じ人間として、年齢問わず1歩先を行かれているような気がします。一般常識云々というものではなく、人間とし物事の見方が変化しているように感じます。何か、大人びた、先を見据えた見方をしている方が多く、すべて正しそうに聞こえてきます。 私も、極めようと努力していることがあります。それを極めたところでどうなるというものですし、さらに上には上がいるのだろうと覚悟もしています。しかし、この学びにより、すでに今現在で得ているものも多々あります。それを通じてできた友人。没頭するという集中力の強化。そこから派生する出来事による、予備知識の蓄積とまだまだ私の気づいていない何かがあるとも思っています。 1つのことを極めた人は、人間的に大きく感じます。その極めた人も、私のように自己分析を行って、それを自分の自身に繋げている、だからこそ自分が大きく見えるのだとわかっているのではないでしょうか。 1歩ずつですが、早くその域に達するよう努力する次第です。

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頭から湯気を立てる

【漢字】頭から湯気を立てる 【読み】あたまからゆげをたてる 【意味】カンカンになって怒る。 【例文1】作業が進まず頭から湯気を立てる。 【例文2】ギャンブル好きの夫に頭に湯気を立てる。 【例文3】頭から湯気を立てて罵る。 国会議員が傍若無人な振る舞いをしたということで、連日のようにニュースやバラエティ番組で取り上げられています。 その様子が伝聞で伝わる分には、これほどまでの騒ぎにはならなかったと思うのですが、文明の利器はその場の様子をしっかりと録音していました。 女性議員は自分の秘書に対して罵倒したり、暴力をふるっていたといいます。 その暴言も、流行語大賞の候補になるのではないかと思うくらい、日本中に響き渡っています。 「このハゲ~!」というのは知らない人がいないくらいです。 それは秘書の度重なる失敗に対して「頭から湯気を立てる」気持ちで言い放った言葉だそうです。 いくら腹が立ったからと言って、自制心の無い国会議員と言うのはいかがなものでしょう。 言葉遣いという点でも、たくさんの人に言葉で国について伝えなくてはならないのが議員の仕事です。 暴力については、秘書が運転している最中に後部座席から殴りかかったというのですから驚きです。 運転中には異常音がしても不安になるのが運転をしている人です。 運転している体に突然触れられるのさえ運転の邪魔になります。 まして、殴られるとなるとたいへん危険なことです。 運転手が殴られたひょうしに事故が起きていたらと思うとゾッとします。 頭から湯気を立てるとは、言うまでも無く顔を真っ赤にするほど怒っている状況を表現しています。 実際には、いくら怒って顔が真っ赤になるほど血圧や体温が上がっても頭の上から湯気を立てるようなことなど有り得ません。 人間の身体から湯気が立つ状況は無くは有りませんが、情緒面の変化より他に必要な要素があります。 まず気温が低く乾燥している状態が必要です。 風呂上りなど特殊な状態でなければ人間の身体から蒸発する水分で湯気が見えることなど考えられません。 となると必要な温度差は、周囲の気温が低いことで用意できるでしょう。 さらにウインドブレイカーなどを着込み適度に運動して汗をかけば身体からもうもうと湯気が立ち上ります。 ここまでしないと人間の身体から湯気が立ち上ることなど観測できません。 ギャグ漫画などで怒りの表現として、顔に青筋がでたり頭から湯気が立つ表現がありますが、これは漫画特有のおおげさな表現です。 実社会で怒りを表現する場合、表情や発言内容がきつくなるくらいが精々というものです。 感情にまかせて怒鳴り散らしたり暴れたりすれば怒った本人の社会評価が低下するというのが昨今の社会常識になりつつあります。 指導力や責任能力まで疑われることになりかねないので、頭から湯気を立てるようなみっともない真似は避けるべきでしょう。

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目もくれない

【漢字】目もくれない 【読み】めもくれない 【意味】何の関心もない。見向きもしない。 【例文1】美人以外には目もくれない。 【例文2】3高以外は目もくれない。 【例文3】勉強には目もくれない。 世の中には、他のことには目もくれないで夢中になれる趣味を持つ人が少なくありません。 私の友人にも、食事や寝る時間を忘れて絵を描いているという人がいます。 日中は仕事に出かけ、帰宅後に寝食を忘れて描いているというのですから、体力も必要になるでしょう。 翌日の仕事に差し支えるのではないかと心配にもなりますが、 満足できるものを描くためには、画材などを選ぶ必要があり、 そのためには仕事もしっかり頑張らないと、絵を描く楽しみもなくなってしまう、と笑います。 私自身は、学生の頃から、何かに夢中になるということがなかったような気がします。 もちろん、映画を見たり本を読んだり、ライブや舞台を見に出かけたりはしましたが、 どれも他のことには目もくれないで打ち込む、というほどではありませんでした。 一時期夢中になっても、しばらくすると飽きてしまう、という癖もありました。 こんな私には、夢中になれる趣味を持つ友人が、とてもかっこよく、楽しそうに見えます。 他のことには目もくれないで夢中になって仕上げたからこそ、 満足のいく絵が出来上がったときには、大きな達成感があるのでしょうし、 そうでなかったときには、自分に対する悔しさでいっぱいになるのでしょう。

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耳に入れる

【漢字】耳に入れる 【読み】みみにいれる 【意味】情報を知らせる。 【例文1】耳に入れたい話がある。 【例文2】部長の耳に入れる。 【例文3】有力情報を耳に入れる。 よく上司に対して、急に悪い話を持っていくと怒られたりしませんか。 悪い内容ほど早めに報告をすることは重要ですが、正攻法で持っていくと、怒鳴られることはあります。 もし、悪い情報を知った場合には、まずは概要レベルでも上司の耳に入れておくのがよいです。 この耳に入れる行為をしただけで、その後の上司からの当たりや、関連部署との調整をスムーズに実施することができます。 このように、仕事を円滑に実施していくうえでは、耳に入れる行為は重要な要素であります。 耳に入れる行為自体は、どちらかといいますと、正攻法ではなく、目回しをしておく際に、事前に話をして、情報をつたえることです。 ことの成り行きを左右するプロジェクトでは刻々と情報が変わりますが、逐次上司に報告はせずとも、要所ではしっかり抑える必要があり、この耳に入れる行為はまさにしっかりとやっとおかねばならないことです。 ましてや、声の大きい上司においては、この目回しなどの耳に入れることは毎回、やっていた方が良いと思います。 私も最近では、情報の概要がわかった時点で上司の耳に入れるようにしています。 決して上司が裸の王様にならないようにする目的もありますが、このようなことの積み重ねで信頼が生まれます。

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ひょうたんから駒が出る

【漢字】ひょうたんから駒が出る 【読み】ひょうたんからこまがでる 【意味】冗談で言った事が現実となる。 【例文1】彼女に付き合おうと言うとOKをもらい、ひょうたんから駒が出る。 【例文2】海外旅行がしたいなと言ったら、彼氏から誕生日に航空チケットを渡されてひょうたんから駒が出る。 【例文3】ウエディングドレスが着たいなと言うとプロポーズをされてひょうたんから駒が出る。 まったく予想もしていなかったようなことが起こることや、冗談で言ったことが実現してしまうことを、「ひょうたんから駒が出る 」と言います。 だんだん、その意味が伝わりにくくなっている言葉かもしれません。まず「ひょうたんがわからない」という人は少なくないでしょう。 これは、ウリ科の植物の名前。果実の果肉を抜いて中を空洞にし、それにお酒などを入れた、一種の容器です。中がくびれただるま型で、昔は縁起が良いものとされていたようです。 「ひさご」とか「ふくべ」とも呼ばれます。 それから「駒」がわからないという人もいるかもしれません。これは、馬のこと。酒などを入れるひょうたんの口は大変に小さいものなのですが、そんな小さな口から大きな馬が出てくるというのですから、まさに奇想天外な発想と言っていいでしょう。 どうしてそんな発想が生まれたのか、調べてみたところ、二つの説が見つかりました。 一つは『宇治拾遺物語』由来説。この中に舌切り雀の元になった話があり、その話に「無限に米が出てくるひょうたん」が出てくるのだそうです。しかし、ひょうたんからものが出てくるとい発想は同じでも、米と馬ではちがいすぎます。 もう一つは、昔の中国の仙人由来説。張果老という仙人は各地を巡る際にロバに乗っていたのですが、休憩をする時になると、必要のないロバをひょうたんに入れたと言います。使う時に、またひょうたんから出すわけですね。 それを見ていた人は、びっくり仰天すること間違いなし。私にはこの説の方が説得力があるように感じられますがいかがでしょうか。 ひょうたんから駒が出るとは予想外のものから予想外の結果が出るという意味です。ひょうたんとは言葉どおりのひょうたんですが、この言葉の中の駒とは将棋の駒のようなものではなく馬のことです。ひょうたんから馬が出るなんてことは普通は考えられませんので、そのような、意外なものが出てくることをひょうたんから駒が出るといいます。ひょうたんから駒が出るというときは、普通はおどろきつつも喜んでいるようなニュアンスになることが多いです。こんなことがあるのか、すごいなという感覚で使います。人は日常生活の中で心のどこかでひょうたんから駒が出るようなことがないか期待しているのかもしれません。逆に予想外のことがまったく起こらずなんともつまらないというときにひょうたんから駒も出ずということもあります。内心ひょうたんから駒が出るようなことを期待していながらやっぱりそんなことはないのか、つまんないという落胆が表現されていてお洒落な言い回しですよね。ブログなどで社会問題を知的に批判したいときにぜひ一度使ってみたいものです。ひょうたんから駒が出るも、ひょうたんから駒も出ないも、両方自然な感じで使えるようになるようにしたいですね。

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